平時と有事 2014 6 1

書名 自衛隊、動く
著者 勝股 秀通  ウェッジ

 私は、以前、中国の空母「遼寧」は、
戦闘機運搬船のようなもので、
有事には役立たないと書きました。
 その理由は、戦闘機が空母から発艦する時は、
燃料を満タンにして、爆弾やミサイルを満載した状態で、
空母から発艦できるか、それが重要だからです。
 おそらく、空母「遼寧」では、
そういうことはできないと思ったのです。
だから、戦闘機運搬船のようなものでしょうと書きました。
 それでも、著者は、こう書くのです。
確かに、有事には、役立たないが、
平時には、役立つ。
 海上で、強風が吹いていれば、戦闘機の発艦も可能である。
さらに、沖縄と宮古島の間は、あまりにも間隔が開いているので、
領海ではなく、公海である。
 そうであるならば、中国海軍は、
宮古水道に訓練海域を設定して、
空母「遼寧」を浮かべて、
艦載機の離着艦訓練を実施するだろう。
 堂々と日本の防空識別圏内に入り込み、
自由に戦闘機を飛ばすことができる。
 日本の領空を侵犯せずに、
公海の上空を飛行している限り、
国際法には抵触しない。
 こうして日本の防空体制が実質的に崩壊する日は、
そう遠くないかもしれない。
 空母「遼寧」を役立たずの中古品などと、
決して侮ってはいけない。
 私が思うに、「時、すでに遅し」の観があります。
日本は、平和ボケで、軍事力の整備、そして法の整備を怠ってきたのです。
要するに、「浦島太郎」のような状態だったのです。
 「竜宮城」で平和ボケしているうちに、
中国の軍事予算は、この10年間で、4倍近くになりました。
一方、日本の軍事予算は、この期間で「微増」というレベルです。
 これは、「浦島太郎」というよりも、
「井の中の蛙大海を知らず」でしょうか。
 私は、平和ボケしている日本人の目を覚ますために、
2005年2月17日に、あえて刺激的なことを書きました。
「日本には、空母が必要である」
 このように書けば、いくら平和ボケしている日本人でも、
目が覚めるだろうと思って、あえて刺激的なことを書いたのです。
 しかしながら、あれから10年近く経過しても、
目が覚めることなく、現在に至っています。





























































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